一途な社長に溺愛を教え込まれた夜
隣に座っている社長の佐藤氏も、呆れたような視線を私に投げかけている。

「さっきから気になっていたんだが、君は我々のプロジェクトの名前を間違えている」

「え……?」

「『スカイタワー』ではない。我々が今期、社運を賭けて取り組んでいるのは『ステラ・パレス・プロジェクト』だ。社内資料にも、先週送ったメールにも、そう明記したはずだが」

全身から一気に血の気が引いた。脳裏に真っ白な霧がかかる。

(嘘……。そんなはずは。資料には……ステラ……? スカイ……?)

記憶の中にある資料の文字が、ぐにゃりと歪んでいく。

頭が真っ白になり、言い訳を探そうと口を開くが、言葉が紡げない。

「それに、先ほどから私のことを『山村部長』と呼んでいるね。私の名は村田だ。そして、弊社の社長は佐藤社長だ。君は一体、どこの誰と商談をしているつもりなんだ?」
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