一途な社長に溺愛を教え込まれた夜
彼は迷わず懐から名刺を取り出し、恭しく差し出した。

「あなたが社長なの?」

名刺を受け取った担当者の顔色が、瞬時に変わる。

その顔には、驚きと隠しきれない敬意が混ざっていた。

「社長を務めております、黒瀬慧です。お任せください。御社にとって、これ以上ない最適なプランを提示します」

黒瀬はテーブルに広げられた資料を拾い上げ、ペンを走らせ始めた。

迷いのない、計算し尽くされた数字が、次々と項目として書き加えられていく。

それは、先ほどまでの「定型文の提案」とは全く違う、魂の入ったプランだった。

「……こちらでいかがでしょうか」

黒瀬社長が提示した金額を見て、担当者は目を丸くした。

「本当に、こんなに項目を増やしていいのか? 利益は出るのかよ」

「これでも、企業としての最低限の利益は確保できるよう計算しています」
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