一途な社長に溺愛を教え込まれた夜
「大丈夫か、美優」

社長の声は、私だけに向けられたときだけ、魔法のように柔らかくなる。

「……はい。ご迷惑をおかけして、ごめんなさい」

「謝るな。……不愉快な思いをさせたな。俺から離れるなと言っただろう」

社長の腕が、先ほどよりも強く私を抱きしめる。

彼が怒っているのは、私に対してではない。

私に触れたあの男に対して、そして自分がいなかった隙に私を危険に晒したことに対してなのだと分かった。

会場中の視線を一身に浴びながら、彼は私を会場の隅、人のいないエリアへと連れて行った。

悔しさで涙が滲む私を、彼は誰にも見えない場所で、そっと抱きしめ直す。

「ごめんなさい……せっかくのパーティーなのに」

「関係ない。俺にとっては、君を守ることの方が百倍重要だ」

彼の胸に顔を埋めると、ようやく鼓動が落ち着いてくるのを感じた。
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