一途な社長に溺愛を教え込まれた夜
慧さんの力強くも優しい腕に包まれ、私は彼の腕枕で胸元に頭を預けていた。

心音のすぐ近くで、彼の温もりを全身で感じている。

「美優、覚えているか? 君が去年、営業成績で2位になって、俺が表彰した時のこと」

慧さんの低い声が、胸の奥で心地よく響く。

不意の問いかけに、私は小さく頷いた。

「ええ、もちろん覚えています。あんなに大勢の前で名前を呼ばれるなんて、初めてでしたから。あの時は……ここまでやってきたんだという実感が湧いて、本当に嬉しかったです」

当時の緊張と、社長に認められたという誇らしさが蘇る。

ただ、あの時の彼が私に対して特別な感情を抱いていたなんて、夢にも思わなかった。

「その時、俺は君に、今度は1位を獲る気はあるかと尋ねたんだ」

「え……?」

私は記憶の糸をたどろうとした。

しかし、表彰の緊張で舞い上がっていたのか、その詳細な会話までは思い出せない。
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