一途な社長に溺愛を教え込まれた夜
私は彼の言葉に、静かにうんと頷いた。

窓の外の夜景が、夜明けに向けて少しずつ表情を変え始めている。

私たちは今、この夜を越えて、ただの社長と部下という境界線を遥か彼方に置き去りにした。

彼の熱はまだ私の中に留まり、私たちの絆が確かなものになったことを告げている。

「愛しているよ……誰にも渡さない」

彼の囁きを聴きながら、私は彼の大きな背中に手を回し、幸せな余韻に浸った。

冷徹な男が見せてくれた、私だけへの情熱。

この溺愛の檻の中で、私たちはこれからも二人だけの物語を紡いでいく。

そう確信した私は、彼の腕の中で安らかな眠りへと落ちていった。

明日が来るのが、これほどまでに愛おしいと思ったのは、生まれて初めてのことだった。

静まり返ったホテルのスイートルーム。

窓の向こうで夜景が静かに瞬き、室内には彼特有のサンダルウッドの香りが濃密に漂っている。
< 87 / 92 >

この作品をシェア

pagetop