幸せの味~君に食べてほしいから~

僕は、密かに気になっていた。

隣の席に座る四月朔日さんの、食生活を。

ちゃんとしたお弁当じゃなく、コンビニのおにぎりやパンを食べている。

それも、たまにじゃない。

毎日。

高校生の大事な時期に、偏った栄養を摂っていることに、すごく気になっていた。

すごい老婆心なのは分かっている。

だけど、調理部員としては見逃せなかった。

話したこともない、どうしたら違和感なく栄養価が整ったご飯を渡せるだろう?

そう考えていた。

部活が始まる前、はあ…と溜め息をついて、考え込んでいた。


「どうしたの、嬉野くん」

「ああ、部長。いや…クラスの隣の席の子が、栄養偏った食事してて、どうにかできないか考えちゃって。余計なお世話なのは分かってるんですけど…」

「その子、女の子?」

「え、ああ…はい」

「だったら、彼氏になってご飯作ってあげればいいんじゃない?」

「えっ!」

「どうするかは嬉野くん次第だよ」


考えたこともない発想だった。

確かにそうか、彼氏だったら、自然かもしれない!


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