10年ぶりに再会した幼馴染みがイケメンすぎて困ってます!
短距離競走&借り物競走
「さぁ!!!次の競技に移りましょう!!!2年男子短距離走に出場のみなさんは、速やかに整列して下さい」
午後の部で一番注目を集めるこの競技。
何故かって……
「きゃゃゃあ!!!和馬くぅーん、頑張ってぇ!!!」
「ヒロくん、カッコイイ!!!」
「健くぅぅん!!!きゃゃゃあ!!! こっち向いたぁぁ!!!」
あちこちから上がる黄色い声。
あたしの隣に座る女子が、健くんがこちらを向いたとはしゃいでいる。
まっすぐに、目が合った。
健くんは、こちらを見たまま、きつくハチマキを巻き直して、フっと口角を上げた。
ズキンと、軋む心臓。
痛くて、痛くて、痛くて。
大きく動く度に、言いようのない痛みに襲われた。
3人の中で、一番にスタートするのはヒロくんだ。
身長の低い順にスタートを切っていき、早くも、ヒロくんがスタートラインに並んだ。
地面に両手をついて構え、ピストル音と同時に駆け出した。
速い――…
サラサラなヒロくんの前髪が、後ろに靡く。
4人の中で、一番華奢なヒロくん。
軽快な走りで、白いテープを切った。
走りきったヒロくんは、こちらに向かって無邪気な笑顔で大きく手を振った。
「きゃゃゃあ!!!ヒロくんが手ぇ振ってくれたぁぁ!!!」
右手を軽く上げたあたしだけど。
周りの尋常じゃない反応に、ヒロくんに手を振り返すことができなかった。
そして――…
最後は、この2人。
D組は、他のクラスより若干人数が多い為、和馬くん、健くんの2人の出場が重なった。
2人は同時にスタートラインに並び、地面に両手をついて、合図を待った。
テント内の女子が全員立ち上がる。
黄色い声に耳をふさぎたくなったけれど、2人の様子にくぎ付けになったあたしは、そんなことに気を回していられなかった。
健くんが、こそっと、和馬くんに耳打ちした。
徐々に険しくなっていく和馬くんの表情。
――何を、言ったんだろう。