10年ぶりに再会した幼馴染みがイケメンすぎて困ってます!
ドクンッ。
大きく、心臓が高鳴った。
和馬くんと目が合い、そらす事ができない。
本物の執事のような笑顔。
言葉遣いや仕草だって、とても丁寧で。
柄にもなくあたしに優しくしてくれるのは、執事の格好をしているから。
それって……演技ってこと?
「じゃあ……」
「………」
「その衣装を脱いでしまったら……もう、優しくしてくれないの?」
「……え?」
ひざまずく和馬くんの目が、グっと丸くなった。
訪れる沈黙。
カチカチと響く、秒針の音。
――『素直になぁれ』
ふと、ヒロくんの呪文が聞こえた気がした。
ハッ――!!!
あ、あたしってば、何言ってんだろ!!!
ば、バカだっ!!!
何であんな――ッ
「………」
無言で立ち上がった和馬くん。
自分の前髪をグシャッと握り、小さくため息をついた。
「おまえさ……どうしてそうゆーこと言うんだよ」
かすれる声。
「その顔も……不意打ちなんてズルすぎ」
前髪を握る手の隙間から見えた和馬くんの頬は、真っ赤だった。
つられて赤くなるあたし。
大人しく座ってられなくなって、ぎこちなく立ち上がった。
「次、不意打ちでそんな顔したら、どうなるかわかんねーから」
「そんな顔って、ど、どんな顔よ」
更に、カァァっと熱が上がった。
前髪から手を離した和馬くんは、ビィっとあたしの頬をつまんだ。
「だからっ!!!そんな顔だよっ!!!」
もっと自覚しろよっ。
そう吐き捨てて、スタスタと保健室を出て行った。
ジリジリと痛む頬。
痛いはずなのに、何故か、笑みがこぼれてしまった。