みてぃ
第1章
「行ってきます!」

玄関のドアを閉めた瞬間、思わず頬が緩んだ。

今日はずっと楽しみにしていたライブの日。

高校生の頃、レスリング部のマネージャーとして忙しい毎日を過ごしていた私にとって、天宮(あまみや すい)の存在は特別だった。

辛い日も、悔しい日も、彼の言葉や歌に何度も救われた。

そして今。

3年前大学を卒業し、母校に養護教諭として戻り、慌ただしい毎日を送るようになっても、その気持ちは変わらない。

むしろ年々大きくなっている気がした。

電車の窓に映る自分の顔を見る。

少しだけ気合いを入れたメイク。

新しく買ったワンピース。

まるで好きな人に会いに行くみたいだ、と自分で思って笑ってしまう。
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