みてぃ
会場に着くと、そこは別世界だった。

同じペンライトを持つ人たち。

聞こえてくる楽しそうな会話。

巨大なモニター。

開演前なのに、すでに胸がいっぱいになる。

「やばい……本当に来ちゃった」

座席に座ると、手のひらがじんわり汗ばんでいた。

やがて会場の照明が落ちる。

歓声が爆発した。

その瞬間。

ステージの中央に現れた人影。

スポットライトが当たり、その顔が映し出される。
私の推しだった。

悲鳴のような歓声が上がる。

私も思わず立ち上がった。

眩しい。

本当に眩しかった。

テレビで見るよりもずっと。

写真で見るよりもずっと。

歌う姿も。

笑う姿も。

ファンへ向ける優しい視線も。

全部が輝いて見えた。

気付けば涙が滲んでいた。
< 2 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop