みてぃ
車の助手席に座る。

シートベルトを締めるだけなのに手元がおぼつかない。

すると翠が身を乗り出した。

「じっとして」

カチッ。

シートベルトが締まる。

近い。

近すぎる。

お酒のせいなのか顔が熱い。

翠は気付いていないのか、そのまま運転席へ戻った。

車が静かに走り出す。

窓の外には夜景が流れていた。

「家どの辺?」

住所を伝える。

車が動く。

少し沈黙が流れる。

でも不思議と気まずくなかった。

むしろ心地良かった。
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