紫陽花の短編集物語#2

ふたりの世界に、境界線

SCENE 1:高校の教室・昼休み
<場所:ハナとサキの席。二人でスマホを見ながら笑っている。他の生徒は遠巻きにいる。>
ハナ (サキの肩に頭を乗せ、親密な様子で) 「ね、サキ。やっぱさ、サキといるのが一番落ち着く。他の女子みたいにいちいち気を使わなくていいし、私の**『面白ポイント』**を完璧に理解してるの、サキだけだもん。」
サキ (少し照れながらも、嬉しそうに) 「もう、ハナったら。…でも、私もそうだよ。ハナといると、全部大丈夫な気がする。」
(ハナとサキがハイタッチをする。その様子は、他の生徒には近づきがたい**「ふたりの世界」**を作っているように見える。)
ハナ 「でしょ?私たちって、まさに、最強のコンビだよね!」
<ガラガラと、教室のドアが開く。担任に連れられて、アリスが入ってくる。制服も着こなしも、周りの生徒とは少し違う。>
担任 「みんな、今日から転校生だ。自己紹介して。」
アリス (堂々としていて、目線が強い) 「アリスです。前の学校は海外でした。よろしく。」
<生徒たちがざわつく。ハナは一瞥し、興味なさそうにサキに向き直る。>
ハナ (サキにだけ聞こえる声で) 「ふーん、海外か。すごいね。…ってか、あの制服の着こなし、ちょっと気合入れすぎじゃない?(笑)」
サキ (ハナに合わせて小声で笑う) 「…たしかに。」
担任 「じゃあ、アリスの席は…サキの隣の空いてる席だ。」
ハナ&サキ (同時に) 「えっ。」

SCENE 2:放課後・帰り道
<場所:校門。ハナとサキが並んで歩いている。サキは少しそわそわしている。>
ハナ 「最悪〜。なんでよりによってサキの隣なの?あれじゃ、席替えまでずっと、**『転校生の隣の地味な子』**じゃん。」
サキ 「う…まぁ、仕方ないよ。でも、アリスさん、休憩時間に話しかけてきてくれたんだ。『日本の学校の雰囲気、素敵だね』って。」
ハナ (ピタッと立ち止まる。声が冷たくなる) 「ふーん。で、サキはなんて答えたの?」
サキ (ハナの表情に気づき、慌てる) 「え、えっと…『そうだね』って。それだけ!別に深い話してないよ!」
ハナ 「そっか。よかった。サキは私のこと一番わかってるから、私から離れないって信じてるよ。…ね?」
(ハナはサキの腕を掴み、強く微笑む。サキは引きつった笑顔で頷く。)
サキ(M) (モノローグ) 「ハナの笑顔、怖い。まるで『私だけのもの』って言ってるみたい…。でも、アリスさんが話しかけてきた時、一瞬、新しい世界が見えた気がしたのは、本当だった。」


SCENE 3:翌日・教室
<場所:サキの席。隣にアリスがいる。ハナは少し離れた自分の席から、二人を監視している。>
アリス (サキに、海外で買ったらしいオシャレなキーホルダーを見せる) 「これ、サキに。友達になった記念。私の国では、友情の証にこういうの贈るんだ。」
サキ (ドキドキしながら) 「え!可愛い!ありがとう…。」
アリス 「サキって、すごく個性的で面白いよね。ハナと二人でいる時より、なんかもっと自由な感じ。」
サキ (アリスの言葉に、心臓が跳ねる) 「えっ、そ…そうかな…。」
(その時、ハナがサキの席の前に**ドン!**と立つ。ハナの笑顔は、完全に消えている。)
ハナ 「サキ。ちょっと来なよ。」
サキ (ハナの目を見て、体が硬直する) 「ハナ…?」
ハナ (サキだけに聞こえる声で) 「あのダサいキーホルダー、早く捨てなよ。あと、あんなわざとらしい転校生に、話しかけなくていいから。ね? 私たちの友情を**『絶対絶命』**にしたくないでしょ?」
サキ (ハッと、中学生の時、孤立していた自分に初めて声をかけてくれたハナの顔を思い出す。しかし、同時にアリスの**「もっと自由な感じ」**という言葉が響く。)
サキ(M) (モノローグ) 「ハナが、私を支配してる。…でも、ハナがいなきゃ、私はまた一人ぼっちだ。」
アリス (二人を見て、フッと微笑む) 「ハナ。もしかして、サキが私と話すの、嫌?」
ハナ (アリスを睨みつけ、笑い飛ばす) 「は?別に?ただ、サキはちょっとシャイだから。それに、サキは私がいれば十分なの。」
(ハナはサキの腕を強く掴み、教室から連れ出そうとする。)
アリス (静かに、ハナに告げる) 「ねぇ、ハナ。友達って、囲い込むものじゃないよ。」
(ハナは言葉を失い、アリスを振り返る。サキは、ハナの力強い腕の中で、アリスの言葉を噛みしめる。)
<サキの腕の中で、ハナとアリス、それぞれの強い視線が交差する。>
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