あなたのことが好きだから。~初めてだらけの恋、はじめます!~
あなたのことが好きだから。~初めてだらけの恋、はじめます!~
第一章親が決めた相手と結婚する予定です
「えー⁉」
私・鈴村成美は、今、今年一、いや、人生一、驚いている。
事の始まりは、先月。
「成美、あなた、結婚しなさい!」
お母さんとお父さんに大事な話がある言われ、今、リビングに座っている。私の前にお母さんとお父さん。
「え⁉ な、何を言ってるの?」
私は動揺していた。だって、いきなり結婚って言われても、結婚する相手何ていないのだから。
「私たちが決めて人と、結婚しなさい!」
私は頭の中が真っ白になった。
え? 結婚を親が決めた人と??
「結婚前に顔合わせをすることになったから。明日!」
「明日⁉」
私は思わず、席を立ってしまった。いきなりすぎるよ・・・。
「じゃあ、明日、10時、出発するから! もちろん、着物で! あの、振袖の!」
「成人式にきたやつ?」
「そう! で、良いわよね? あなた」
お母さんは一度、お父さんに確認をとった。
「もちろんだ。着物、とっても似合ってると思うぞ!」
私は今、ベットの上に天井を向きながら寝っ転がっている。
私はどんな人と結婚するだろうか。ヤンキー? それとも、営業マン?
私は緊張であまり寝れなかった。
今日は、結婚相手と会う日。
私は成人式に着た、ピンクの振袖を着た。
会う場所は言われていない。どこなのだろうか。
私はお父さんの車に連れられて、30分くらいのところに来た。
「さぁ、ここだよ!」
私は車から降りた。そこは、立派なお屋敷だった。
私の素人の家とは全く違う。
も、もしかして、お坊ちゃまと結婚するの??
私たちは執事の方に案内された。
壁にはたくさんの絵が飾ってあった。本当に立派・・・。
「お連れしました!」
執事さんは先に中に入った。その次にお父さんとお母さん。私はお父さんとお母さんについて行った。
「やぁ~。久しぶりだな!」
「おう! 久しぶりだな! 陽太!」
お父さんと、(もうすぐ)お義父さんが会話をしていた。
お父さんは私に説明してくれた。
「私たちはな、幼馴染だったんだ。いつか、お互いの子を乾坤させると決めとったんだ!」
そうだったの・・・。だから、今回結婚するのね!
お母さんが「前に行きなさい」と小さな声で私に言った。
私はまだ、結婚相手の顔を一度も見ていない。お母さんとお父さんの後ろにいたから。
私は前に行き、結婚相手の顔を見た。その時、一瞬、時が止まったかと思った。
だって、だって・・・。結婚相手は見覚えがある、あの、顔だったから。櫻木さん。
同じ職場の櫻木康太さん。そういえば、櫻木さんは、社長の息子だった。
初めまして、では、ないか。
「お久しぶりです。櫻木さん。鈴村成美です。ご存知でしょうか?」
私は櫻木さんに聞いてみた。
「あぁ、同じ職場の」
「はい! そうです!」
私たちは自己紹介をし合った。
「すみません。ずっと立たせたままで・・・。お座りください」
(もうすぐ)お義母さんが言ってくれた。
「ありがとうございます」
私は真ん中の席に座った。左にお父さん。右にお母さん。
櫻木さんは私の前に座った。同じく、左にお義父さん。右にお義母さん。
「この度は、ありがとうございます。これから、宜しくお願い致します」
私はお礼をした。そうしたら、社長が。
「そんなそんな。こちらこそ、康太をよろしくね!」
そのあと、私たちは食事をしながら、お話をした。
帰るときに康太さんに耳元で。
「着物、似合ってる」
って言われて、顔が赤くなった。
第二章同居【side康太】
親同士の同意のもと、始まったんだ。オレと成美さんの同居がはじまった。
まぁ、同居と言っても、オレの家で一緒に住むってことだ。
正直、好きな人と同居、となると、嬉しくなる。
そう、オレは成美さんが好きなのだ。好きになったのは・・・。
入社して3年目の頃、オレは仕事でミスをしてしまった。
屋上のベンチに一人で落ち込んでいた時、ドアが開いたんだ。
成美さんが入ってきた。
成美さんはオレの方に近づいてきて。
「どうしたんですか?」
って優しく聞いてくれた。そして、オレの隣に座った。
「仕事でミス、しちゃって・・・」
オレがそう、話していると、成美さんは元気づけてくれた。
「大丈夫ですよ。『失敗は成功の基』って言いますし。きっと、櫻木さんなら、大丈夫ですよ」
オレは不意にもときめいてしまったんだ。
「大丈夫なのかな?」
「大丈夫です! きっと」
その、彼女のニッコリ笑顔が輝いて見えた。
成美さんは腕時計を確認して。
「あ、そろそろ・・・。すみません」
屋上を出て行った。
オレは成美さんから目が離せなかった。
オレの胸はずっと高鳴っている。
そして、気づいた。好きになったって。
そして、今日、ルールを作った。【名前で呼び合う】という、ルール。
最初は『さん』付けでもいいと言ってくれた。距離を縮めるってことだよね?
え⁉ オレは今、驚いている。何に驚いているかと言うと・・・。
何と、オレのベットで成美さんと寝るらしい。しかも、今日だけではなく、これからずっと。
「あの、すみません・・・」
オレは何となく、謝罪した。だって、今日、結婚する相手と寝るんだぞ? そんなの、嫌に決まっている。
「あ、いえ・・・。大丈夫ですよ」
「じゃあ、寝ますか」
オレたちはお互い、背を向けて寝ている。
緊張して、あんまり寝れなかった二人だった。
第三章本当の恋をしないの?【side明日香】
「え! 結婚したの!」
私・明日香はとっても驚いてしまった。私の前にいた、成美は。
「ちょっと、静かに!」
小さな声で私に言った。私に注目が集まっていた。
「すみません・・・」
私はみなさんに謝った。
今は幼馴染で親友・成美とカフェに来ている。
「じゃあ、親が決めて人と結婚するってこと何だよね?」
「まぁ、そうだよ?」
「・・・」
「何? 親友には好きな人と結婚してほしいって?」
「そうだよ。本当の恋をしないの? 成美はさ」
「私は・・・」
「何?」
「結婚する人を好きになりたいな」
第四章私はあなたの先輩、だから【side茉莉】
「何で!! こんな、ミスするの!! あんた、何回、言ったら分かるの!!!!!」
私は部下の鈴村さんに怒っていた。これは、鈴村さんがミスをしたから。
安心して! 大丈夫! 康太くんはいないから。今は、昼休み中だから。だから、今は私と鈴村さんの二人だけ。
「すみません。次は気を付けます・・・」
「『次』っていつ? それ、何回目? もう、聞き飽きました!!」
「・・・」
鈴村さんは下を向いたまま涙を流していた。
「何なの?? 泣けば何でも許されるって思ってんの??? バッカじゃないの!!!!」
「・・・」
「ねぇ、『ごめんなさい』は? 謝罪は、基本だよ? そんなこともできないの???」
そのとき、昼休みから帰ってきた藤井さんが入ってきた。
鈴村さんはまた、仕事に戻った。
あぁ、邪魔者がきた。本当に迷惑。もっと、怒ってやりたかったのに。
「さっき、大声聞こえたけど、大丈夫?」
藤井さんに聞かれ、私はごまかした。
「あぁ、ちょっと、好きな野球チームが負けちゃって・・・。それで」
「へぇ~」
「そうだよね? 鈴村さん!」
鈴村さんはパソコンに文字を打つのをやめて、藤井さんの方を向いた。
「はい! 大丈夫です!」
笑顔だったから、バレてない。よかった・・・。
でも、実は藤井さんは会話を聞いていた。全部。
そして、このことは、康太に報告されたことになったのだった・・・。
第五章社長とお話
「今日、社長室に来てほしということでした」
私のところまで伝えに来てくれた康太くん。
「ありがとう。こう、櫻木さん」
康太くんはまた、自分の席に帰っていった。
それを隣で聞いたいた関谷さんは。
「首、じゃないの・・・? 違うかな・・・??」
若干、いや、だいぶ、煽ってきた。でも、きっと、大丈夫だよ、ね??
「失礼します」
私は社長室に入った。
「そこ、座ってください」
「はい」
私は社長に言われた席に座った。そして、社長は私の前に座った。
「最近は、どうかな?」
「どうって・・・?」
「あぁ、康太とは」
「はい! 大丈夫です」
「何か、嫌なこととか、困っていることとかないかい?」
私は少し、考えた。まぁ、あるちゃ、ある。康太くんに関谷が抱きつくこと。
「あ、いえ。大丈夫です。何もありません」
「そうか。それなら、よかった」
第六章大切にしなさい【side櫻木社長】
「何か、嫌なこととか、困っていることとかないかい?」
成美さんを招いて、話を聞いていた。今、聞いたことに対して、返事が遅かった。
絶対に何か、あるんだ。見逃さなかったぞ、成美さん!
そして、康太を呼んだ。社長室に。
「何でしょう?」
「お前、最近、成美さんが嫌がること、したか?」
「え?」
「さっきな、聞いたんだよ」
「・・・」
「まぁ、考えろ! 自分で!」
第七章康太くん!【side茉莉】
私は康太くんを見つけ、康太くんの腕に抱きついた。
みんなは、また・・・って顔をしている。だって、毎日しているんだもん。
康太くんに一目惚れしたから。ずっと、好きだから。あの、その、顔を好きになったから。
それを、鈴村さんが見つめていた。私は最高に気分が良かった。だって。
鈴村さんに自慢できている気分だった。康太くんは私のもの。
だから、もう、何もさせない。鈴村さんは私には敵わないんだよ??? ね、?????
第八章あなたをとられたくない
私は関谷さんが康太くんの腕に抱きついているのをただ、見つめていた。
急に胸が苦しくなった。私は胸を抑えた。そこにいるのが、耐えられなくなって私は外に出た。そして、屋上に向かった。向かっている途中、私は立ち止まった。
なぜか、急に涙が溢れた。ただ、ただ、大量の涙が。
胸が苦しくなったんだ。
第九章私が康太くんの婚約者【side茉莉】
「ねぇ、知ってる?」
私は隣の席の同僚に聞いた。
「何が?」
「私、康太くんの婚約者なの!」
それを聞いた、同僚は。
「え⁉ そうだったの⁉」
「でも、秘密だよ? 言ったら、怒られちゃうから・・・」
茉莉は遠くにいる、康太を見ながら言った。同僚も康太を見ながら。
「分かりました!」
でも・・・。その同僚は黙ってはいませんでした。
「ねぇ、あのね。関谷さん、櫻木さんの婚約者、何だって!」
次々と、すれ違う人に言っていたのです。
第十章このモヤモヤ、何だろう・・・
私はそれかろいうもの、関谷さんが櫻木さんの腕に抱きついているのを見ると、モヤモヤしてしまうのです。でも、原因はわかりません。そして、私はある噂を聞いたのです。
「関谷さんが櫻木さんの婚約者」だという。
その噂を聞いたとき、私が!って言いたかった。でも、言っても信じてくれないだろう。
「ただいまー!」
康太くんが家に帰ってきた。でも、何か喋る気になれなかった。
「・・・」
私の異変に気付いた康太くんは、気にかけてくれた。
「どうしたの?」
「・・・」
私はとにかく、喋りたくなかった。これは、多分モヤモヤのせいだろう。
第十一章 それは、嫉妬【side明日香】
「それは、嫉妬だよ!」
私はすべて言った。親友の明日香に。最近、胸が苦しいと。
「嫉妬って?」
「相手がとられたくない!って胸が燃えること!」
「燃えてないよ? 胸が苦しい・・・」
「そう、胸が苦しくなるの!」
「・・・。これが、嫉妬、なの?」
「そう! それは嫉妬なの!」
私は関谷さんに嫉妬していることが分かった。
第十二章 私の康太くんに近づかないで【side茉莉】
あれはウソ。私が康太くんの婚約者って話は。だって、気に食わないんだもん。鈴村さんが。
だから、婚約者って言ったら、近づかないって思った。
私の康太くんに近づかないで、ね? 鈴村さん。絶対に、ね??
第十三章 私が婚約者なのに・・・【side成美】
「ねぇ、知ってる? 関谷さん、櫻木さんの婚約者だって!」
「え・・・?」
「関谷さん、社長夫人だわね! 憧れるわ~」
私は固まってしまった。何で? 何でなの?
私が婚約者なのに・・・。
第十四章 オレの婚約者は・・・【side康太】
「櫻木さんの婚約者って関谷さん、なの?」
そう、同僚の藤井に聞かれた。今は昼休み。お昼を食べている。もちろん、成美の手作り弁当だ。オレ・康太は驚いた。何でそう、言ったのか。
「何で?」
「何でって。そう、言ってるよ? 関谷さんが」
「関谷さんが? 何て?」
「『私は康太くんの婚約者!』って。それをみんなに自慢しているらしいよ。特に、鈴村さんに。いや~、関谷さんさ、鈴村さんのこと、嫌いなんだよ。きっと。」
「え?」
オレは初めて聞いた。関谷さんが成美のことが嫌いだって。
父さんが言ったいたのは、このことか。それとも、オレに抱きつくことか?? 多分、どっちもだろう。だからか。最近、成美の様子がおかしかった。それは、これが原因なのか。
何で、早く気づかなかったのだろう。オレは。
オレは昼休みから戻った。自分の席に座ろうとした時。
「何でなの!」
すごい、大きな声がした。これは、きっと、関谷さんの声だ。それにしても大きすぎないか?
オレは声が聞こえた方を見た。それは、成美に怒っているところだった。
でも、二人とも気づいていない。オレに背を向けているから。
みんなは静まり返っている。
「何でなの! こんなミス、ダメだよ!! 何でできないの?? バッカじゃない? 鈴村さんは一生、結婚できないね! 結婚してくれないよ。こんな人。まぁ、でも、私には・・・」
オレは話を聞いているだけで、イライラしてきた。オレは拳を握った。
オレは関谷さんに近づいた。みんなは心配していそうな視線をオレに送ってきた。
「おい! どういうことだ!」
オレは、関谷さんと成美の後ろでそう言った。二人とも、オレの方を振り返った。成美は涙目をしていた。相当、怖かったんだろう。頑張ったな、成美。ここからは、もう、大丈夫だぞ! オレがやってやるから!
「康太くん!」
また、関谷さんはオレの腕に抱きつく。本当、嫌だ。成美はまた下を向いてしまった。
オレはもう、限界のあまり、関谷さんの腕を振りほどいた。
みんな、驚いていた。まぁ、そりゃあ、そうだろう。みんなはオレは関谷さんと結婚するって思っているから。
「え? 何で? 康太くん、何で? 私、婚約者だよ?」
関谷さんはオレに問い詰めてきた。あぁ、まただ。面倒だ。
「お前と結婚するって誰が言った?」
オレは関谷さんに言ってやった。
「お前、デマ、言っただろう?」
みんなは、驚いていた。オレは、成美の腕を引っ張り、オレの腕の中に入れた。
まぁ、オレが成美をハグしているって思うだろう。まぁ、そうなんだけど。
「オレ、成美と結婚するんだわ」
みんなは、すごく驚いていた。関谷さんはオレと成美を交互に見た。
「え? え? 鈴村さんと、康太、くん、が?」
「そうだけど・・・」
関谷さんはへなへなとその場にしゃがんだ。
オレは言ってやったんだ。関谷さんに。
「何で! 何で、嫌なことばっかしてくるの? バッカじゃない? 関谷さんは一生、結婚できねぇーな! 結婚してくれねぇーよ。こんな人」
さっき、関谷さんが成美に言ったことだ。
オレは成美と手を繋ぎ、その場を後にした。
第十五章 あなたのことが好きだから。
私は、康太に連れられて屋上に来た。康太は私の手を離した。
「ごめんな。嫌な思い、させて」
康太は私に謝罪した。
「康太。顔上げて。私、大丈夫だよ? まぁ、ちょっと、寂しかったかも。私だって、康太の腕に抱きつきたい。康太を誰にもとられたくないよ!」
康太は顔を上げて、私を見つめた。
「オレだって、そうだよ。とられたくない。成美を」
康太はだんだん、私に近づいてきた。私はその場で待っていた。
康太は私に抱きついてきた。
「康、太?」
康太は更に強い力で私を抱きしめた。
康太は私から手を放し、私の唇にキスをした。それは、私にとってファーストキスだった。
甘くて、酸っぱくて。いろんな味がした。これはきっと、初めてで、嬉し涙。
康太と私はずっと、ずっと、キスをしていた。
それは、あなたのことが好きだから。
今、あなたのことが好きだからって言えるのは、初めてだらけの恋を、始めたからだ。
私はずっと、ずっと。あなたのことが好きだから。
★★★★★★★★あとがき★★★★★★★★
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
作者の紫陽花です。
今回は、親の決めた政略結婚から始まる、成美と康太の「うぶキュン」な恋物語を描かせていただきました。
最初はビジネスライクだった二人が、同居生活や社内での様々な壁を乗り越えて、本当の恋を見つける。
そんな二人の心の成長や、成美が初めて知った「嫉妬」という切ない感情を、読者の皆さんに共感していただけていたら嬉しいです。
関谷さんの存在にハラハラしたり、康太の男らしい決断に胸をときめかせたりしながら、私自身もとても楽しく執筆できました。
初めての恋を実らせた二人の未来が、これからも甘く幸せなものでありますように。
また次の物語で
お会いできるのを楽しみにしています。
本当に、ありがとうございました!
「えー⁉」
私・鈴村成美は、今、今年一、いや、人生一、驚いている。
事の始まりは、先月。
「成美、あなた、結婚しなさい!」
お母さんとお父さんに大事な話がある言われ、今、リビングに座っている。私の前にお母さんとお父さん。
「え⁉ な、何を言ってるの?」
私は動揺していた。だって、いきなり結婚って言われても、結婚する相手何ていないのだから。
「私たちが決めて人と、結婚しなさい!」
私は頭の中が真っ白になった。
え? 結婚を親が決めた人と??
「結婚前に顔合わせをすることになったから。明日!」
「明日⁉」
私は思わず、席を立ってしまった。いきなりすぎるよ・・・。
「じゃあ、明日、10時、出発するから! もちろん、着物で! あの、振袖の!」
「成人式にきたやつ?」
「そう! で、良いわよね? あなた」
お母さんは一度、お父さんに確認をとった。
「もちろんだ。着物、とっても似合ってると思うぞ!」
私は今、ベットの上に天井を向きながら寝っ転がっている。
私はどんな人と結婚するだろうか。ヤンキー? それとも、営業マン?
私は緊張であまり寝れなかった。
今日は、結婚相手と会う日。
私は成人式に着た、ピンクの振袖を着た。
会う場所は言われていない。どこなのだろうか。
私はお父さんの車に連れられて、30分くらいのところに来た。
「さぁ、ここだよ!」
私は車から降りた。そこは、立派なお屋敷だった。
私の素人の家とは全く違う。
も、もしかして、お坊ちゃまと結婚するの??
私たちは執事の方に案内された。
壁にはたくさんの絵が飾ってあった。本当に立派・・・。
「お連れしました!」
執事さんは先に中に入った。その次にお父さんとお母さん。私はお父さんとお母さんについて行った。
「やぁ~。久しぶりだな!」
「おう! 久しぶりだな! 陽太!」
お父さんと、(もうすぐ)お義父さんが会話をしていた。
お父さんは私に説明してくれた。
「私たちはな、幼馴染だったんだ。いつか、お互いの子を乾坤させると決めとったんだ!」
そうだったの・・・。だから、今回結婚するのね!
お母さんが「前に行きなさい」と小さな声で私に言った。
私はまだ、結婚相手の顔を一度も見ていない。お母さんとお父さんの後ろにいたから。
私は前に行き、結婚相手の顔を見た。その時、一瞬、時が止まったかと思った。
だって、だって・・・。結婚相手は見覚えがある、あの、顔だったから。櫻木さん。
同じ職場の櫻木康太さん。そういえば、櫻木さんは、社長の息子だった。
初めまして、では、ないか。
「お久しぶりです。櫻木さん。鈴村成美です。ご存知でしょうか?」
私は櫻木さんに聞いてみた。
「あぁ、同じ職場の」
「はい! そうです!」
私たちは自己紹介をし合った。
「すみません。ずっと立たせたままで・・・。お座りください」
(もうすぐ)お義母さんが言ってくれた。
「ありがとうございます」
私は真ん中の席に座った。左にお父さん。右にお母さん。
櫻木さんは私の前に座った。同じく、左にお義父さん。右にお義母さん。
「この度は、ありがとうございます。これから、宜しくお願い致します」
私はお礼をした。そうしたら、社長が。
「そんなそんな。こちらこそ、康太をよろしくね!」
そのあと、私たちは食事をしながら、お話をした。
帰るときに康太さんに耳元で。
「着物、似合ってる」
って言われて、顔が赤くなった。
第二章同居【side康太】
親同士の同意のもと、始まったんだ。オレと成美さんの同居がはじまった。
まぁ、同居と言っても、オレの家で一緒に住むってことだ。
正直、好きな人と同居、となると、嬉しくなる。
そう、オレは成美さんが好きなのだ。好きになったのは・・・。
入社して3年目の頃、オレは仕事でミスをしてしまった。
屋上のベンチに一人で落ち込んでいた時、ドアが開いたんだ。
成美さんが入ってきた。
成美さんはオレの方に近づいてきて。
「どうしたんですか?」
って優しく聞いてくれた。そして、オレの隣に座った。
「仕事でミス、しちゃって・・・」
オレがそう、話していると、成美さんは元気づけてくれた。
「大丈夫ですよ。『失敗は成功の基』って言いますし。きっと、櫻木さんなら、大丈夫ですよ」
オレは不意にもときめいてしまったんだ。
「大丈夫なのかな?」
「大丈夫です! きっと」
その、彼女のニッコリ笑顔が輝いて見えた。
成美さんは腕時計を確認して。
「あ、そろそろ・・・。すみません」
屋上を出て行った。
オレは成美さんから目が離せなかった。
オレの胸はずっと高鳴っている。
そして、気づいた。好きになったって。
そして、今日、ルールを作った。【名前で呼び合う】という、ルール。
最初は『さん』付けでもいいと言ってくれた。距離を縮めるってことだよね?
え⁉ オレは今、驚いている。何に驚いているかと言うと・・・。
何と、オレのベットで成美さんと寝るらしい。しかも、今日だけではなく、これからずっと。
「あの、すみません・・・」
オレは何となく、謝罪した。だって、今日、結婚する相手と寝るんだぞ? そんなの、嫌に決まっている。
「あ、いえ・・・。大丈夫ですよ」
「じゃあ、寝ますか」
オレたちはお互い、背を向けて寝ている。
緊張して、あんまり寝れなかった二人だった。
第三章本当の恋をしないの?【side明日香】
「え! 結婚したの!」
私・明日香はとっても驚いてしまった。私の前にいた、成美は。
「ちょっと、静かに!」
小さな声で私に言った。私に注目が集まっていた。
「すみません・・・」
私はみなさんに謝った。
今は幼馴染で親友・成美とカフェに来ている。
「じゃあ、親が決めて人と結婚するってこと何だよね?」
「まぁ、そうだよ?」
「・・・」
「何? 親友には好きな人と結婚してほしいって?」
「そうだよ。本当の恋をしないの? 成美はさ」
「私は・・・」
「何?」
「結婚する人を好きになりたいな」
第四章私はあなたの先輩、だから【side茉莉】
「何で!! こんな、ミスするの!! あんた、何回、言ったら分かるの!!!!!」
私は部下の鈴村さんに怒っていた。これは、鈴村さんがミスをしたから。
安心して! 大丈夫! 康太くんはいないから。今は、昼休み中だから。だから、今は私と鈴村さんの二人だけ。
「すみません。次は気を付けます・・・」
「『次』っていつ? それ、何回目? もう、聞き飽きました!!」
「・・・」
鈴村さんは下を向いたまま涙を流していた。
「何なの?? 泣けば何でも許されるって思ってんの??? バッカじゃないの!!!!」
「・・・」
「ねぇ、『ごめんなさい』は? 謝罪は、基本だよ? そんなこともできないの???」
そのとき、昼休みから帰ってきた藤井さんが入ってきた。
鈴村さんはまた、仕事に戻った。
あぁ、邪魔者がきた。本当に迷惑。もっと、怒ってやりたかったのに。
「さっき、大声聞こえたけど、大丈夫?」
藤井さんに聞かれ、私はごまかした。
「あぁ、ちょっと、好きな野球チームが負けちゃって・・・。それで」
「へぇ~」
「そうだよね? 鈴村さん!」
鈴村さんはパソコンに文字を打つのをやめて、藤井さんの方を向いた。
「はい! 大丈夫です!」
笑顔だったから、バレてない。よかった・・・。
でも、実は藤井さんは会話を聞いていた。全部。
そして、このことは、康太に報告されたことになったのだった・・・。
第五章社長とお話
「今日、社長室に来てほしということでした」
私のところまで伝えに来てくれた康太くん。
「ありがとう。こう、櫻木さん」
康太くんはまた、自分の席に帰っていった。
それを隣で聞いたいた関谷さんは。
「首、じゃないの・・・? 違うかな・・・??」
若干、いや、だいぶ、煽ってきた。でも、きっと、大丈夫だよ、ね??
「失礼します」
私は社長室に入った。
「そこ、座ってください」
「はい」
私は社長に言われた席に座った。そして、社長は私の前に座った。
「最近は、どうかな?」
「どうって・・・?」
「あぁ、康太とは」
「はい! 大丈夫です」
「何か、嫌なこととか、困っていることとかないかい?」
私は少し、考えた。まぁ、あるちゃ、ある。康太くんに関谷が抱きつくこと。
「あ、いえ。大丈夫です。何もありません」
「そうか。それなら、よかった」
第六章大切にしなさい【side櫻木社長】
「何か、嫌なこととか、困っていることとかないかい?」
成美さんを招いて、話を聞いていた。今、聞いたことに対して、返事が遅かった。
絶対に何か、あるんだ。見逃さなかったぞ、成美さん!
そして、康太を呼んだ。社長室に。
「何でしょう?」
「お前、最近、成美さんが嫌がること、したか?」
「え?」
「さっきな、聞いたんだよ」
「・・・」
「まぁ、考えろ! 自分で!」
第七章康太くん!【side茉莉】
私は康太くんを見つけ、康太くんの腕に抱きついた。
みんなは、また・・・って顔をしている。だって、毎日しているんだもん。
康太くんに一目惚れしたから。ずっと、好きだから。あの、その、顔を好きになったから。
それを、鈴村さんが見つめていた。私は最高に気分が良かった。だって。
鈴村さんに自慢できている気分だった。康太くんは私のもの。
だから、もう、何もさせない。鈴村さんは私には敵わないんだよ??? ね、?????
第八章あなたをとられたくない
私は関谷さんが康太くんの腕に抱きついているのをただ、見つめていた。
急に胸が苦しくなった。私は胸を抑えた。そこにいるのが、耐えられなくなって私は外に出た。そして、屋上に向かった。向かっている途中、私は立ち止まった。
なぜか、急に涙が溢れた。ただ、ただ、大量の涙が。
胸が苦しくなったんだ。
第九章私が康太くんの婚約者【side茉莉】
「ねぇ、知ってる?」
私は隣の席の同僚に聞いた。
「何が?」
「私、康太くんの婚約者なの!」
それを聞いた、同僚は。
「え⁉ そうだったの⁉」
「でも、秘密だよ? 言ったら、怒られちゃうから・・・」
茉莉は遠くにいる、康太を見ながら言った。同僚も康太を見ながら。
「分かりました!」
でも・・・。その同僚は黙ってはいませんでした。
「ねぇ、あのね。関谷さん、櫻木さんの婚約者、何だって!」
次々と、すれ違う人に言っていたのです。
第十章このモヤモヤ、何だろう・・・
私はそれかろいうもの、関谷さんが櫻木さんの腕に抱きついているのを見ると、モヤモヤしてしまうのです。でも、原因はわかりません。そして、私はある噂を聞いたのです。
「関谷さんが櫻木さんの婚約者」だという。
その噂を聞いたとき、私が!って言いたかった。でも、言っても信じてくれないだろう。
「ただいまー!」
康太くんが家に帰ってきた。でも、何か喋る気になれなかった。
「・・・」
私の異変に気付いた康太くんは、気にかけてくれた。
「どうしたの?」
「・・・」
私はとにかく、喋りたくなかった。これは、多分モヤモヤのせいだろう。
第十一章 それは、嫉妬【side明日香】
「それは、嫉妬だよ!」
私はすべて言った。親友の明日香に。最近、胸が苦しいと。
「嫉妬って?」
「相手がとられたくない!って胸が燃えること!」
「燃えてないよ? 胸が苦しい・・・」
「そう、胸が苦しくなるの!」
「・・・。これが、嫉妬、なの?」
「そう! それは嫉妬なの!」
私は関谷さんに嫉妬していることが分かった。
第十二章 私の康太くんに近づかないで【side茉莉】
あれはウソ。私が康太くんの婚約者って話は。だって、気に食わないんだもん。鈴村さんが。
だから、婚約者って言ったら、近づかないって思った。
私の康太くんに近づかないで、ね? 鈴村さん。絶対に、ね??
第十三章 私が婚約者なのに・・・【side成美】
「ねぇ、知ってる? 関谷さん、櫻木さんの婚約者だって!」
「え・・・?」
「関谷さん、社長夫人だわね! 憧れるわ~」
私は固まってしまった。何で? 何でなの?
私が婚約者なのに・・・。
第十四章 オレの婚約者は・・・【side康太】
「櫻木さんの婚約者って関谷さん、なの?」
そう、同僚の藤井に聞かれた。今は昼休み。お昼を食べている。もちろん、成美の手作り弁当だ。オレ・康太は驚いた。何でそう、言ったのか。
「何で?」
「何でって。そう、言ってるよ? 関谷さんが」
「関谷さんが? 何て?」
「『私は康太くんの婚約者!』って。それをみんなに自慢しているらしいよ。特に、鈴村さんに。いや~、関谷さんさ、鈴村さんのこと、嫌いなんだよ。きっと。」
「え?」
オレは初めて聞いた。関谷さんが成美のことが嫌いだって。
父さんが言ったいたのは、このことか。それとも、オレに抱きつくことか?? 多分、どっちもだろう。だからか。最近、成美の様子がおかしかった。それは、これが原因なのか。
何で、早く気づかなかったのだろう。オレは。
オレは昼休みから戻った。自分の席に座ろうとした時。
「何でなの!」
すごい、大きな声がした。これは、きっと、関谷さんの声だ。それにしても大きすぎないか?
オレは声が聞こえた方を見た。それは、成美に怒っているところだった。
でも、二人とも気づいていない。オレに背を向けているから。
みんなは静まり返っている。
「何でなの! こんなミス、ダメだよ!! 何でできないの?? バッカじゃない? 鈴村さんは一生、結婚できないね! 結婚してくれないよ。こんな人。まぁ、でも、私には・・・」
オレは話を聞いているだけで、イライラしてきた。オレは拳を握った。
オレは関谷さんに近づいた。みんなは心配していそうな視線をオレに送ってきた。
「おい! どういうことだ!」
オレは、関谷さんと成美の後ろでそう言った。二人とも、オレの方を振り返った。成美は涙目をしていた。相当、怖かったんだろう。頑張ったな、成美。ここからは、もう、大丈夫だぞ! オレがやってやるから!
「康太くん!」
また、関谷さんはオレの腕に抱きつく。本当、嫌だ。成美はまた下を向いてしまった。
オレはもう、限界のあまり、関谷さんの腕を振りほどいた。
みんな、驚いていた。まぁ、そりゃあ、そうだろう。みんなはオレは関谷さんと結婚するって思っているから。
「え? 何で? 康太くん、何で? 私、婚約者だよ?」
関谷さんはオレに問い詰めてきた。あぁ、まただ。面倒だ。
「お前と結婚するって誰が言った?」
オレは関谷さんに言ってやった。
「お前、デマ、言っただろう?」
みんなは、驚いていた。オレは、成美の腕を引っ張り、オレの腕の中に入れた。
まぁ、オレが成美をハグしているって思うだろう。まぁ、そうなんだけど。
「オレ、成美と結婚するんだわ」
みんなは、すごく驚いていた。関谷さんはオレと成美を交互に見た。
「え? え? 鈴村さんと、康太、くん、が?」
「そうだけど・・・」
関谷さんはへなへなとその場にしゃがんだ。
オレは言ってやったんだ。関谷さんに。
「何で! 何で、嫌なことばっかしてくるの? バッカじゃない? 関谷さんは一生、結婚できねぇーな! 結婚してくれねぇーよ。こんな人」
さっき、関谷さんが成美に言ったことだ。
オレは成美と手を繋ぎ、その場を後にした。
第十五章 あなたのことが好きだから。
私は、康太に連れられて屋上に来た。康太は私の手を離した。
「ごめんな。嫌な思い、させて」
康太は私に謝罪した。
「康太。顔上げて。私、大丈夫だよ? まぁ、ちょっと、寂しかったかも。私だって、康太の腕に抱きつきたい。康太を誰にもとられたくないよ!」
康太は顔を上げて、私を見つめた。
「オレだって、そうだよ。とられたくない。成美を」
康太はだんだん、私に近づいてきた。私はその場で待っていた。
康太は私に抱きついてきた。
「康、太?」
康太は更に強い力で私を抱きしめた。
康太は私から手を放し、私の唇にキスをした。それは、私にとってファーストキスだった。
甘くて、酸っぱくて。いろんな味がした。これはきっと、初めてで、嬉し涙。
康太と私はずっと、ずっと、キスをしていた。
それは、あなたのことが好きだから。
今、あなたのことが好きだからって言えるのは、初めてだらけの恋を、始めたからだ。
私はずっと、ずっと。あなたのことが好きだから。
★★★★★★★★あとがき★★★★★★★★
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
作者の紫陽花です。
今回は、親の決めた政略結婚から始まる、成美と康太の「うぶキュン」な恋物語を描かせていただきました。
最初はビジネスライクだった二人が、同居生活や社内での様々な壁を乗り越えて、本当の恋を見つける。
そんな二人の心の成長や、成美が初めて知った「嫉妬」という切ない感情を、読者の皆さんに共感していただけていたら嬉しいです。
関谷さんの存在にハラハラしたり、康太の男らしい決断に胸をときめかせたりしながら、私自身もとても楽しく執筆できました。
初めての恋を実らせた二人の未来が、これからも甘く幸せなものでありますように。
また次の物語で
お会いできるのを楽しみにしています。
本当に、ありがとうございました!


