Please let me hear your voice-君の声を聴かせてー
柚歩は慌てて首を横に振った。迷惑なんてかけられていない。
むしろ助けられた。その思いが胸の奥で熱を帯びていく。

琉生は少しだけ視線を落とし、言葉を選ぶように静かに続けた。

「困っているように見えたので。……ああいう空気、苦手なんです」

柚歩の胸がまた熱くなり、喉の奥が震え、言葉が出ないまま胸の奥だけが静かに揺れ続けた。

琉生はさらに言った。

「あなたが悪いとは思えなかった。それだけです」

その言葉はまっすぐで優しくて、どこか懐かしい響きを持っていた。
胸の奥に深く沈んでいき、柚歩は胸元のペンダントを握りしめた。
光がかすかに揺れた気がした。

「あの時はお礼言えなくて。ありがとうございました」

琉生はフッと笑みを漏らし、軽く会釈したあと、エレベーターに乗り込んだ。
扉が閉まる直前にもう一度だけ微笑み、その微笑みが胸の奥に静かに残った。

「また……会えるといいですね」

扉が閉まり、音が消え、柚歩はしばらく動けなかった。
胸の奥が静かに、確かに熱くなっていくのを感じていた。

——また会えるのかな。
会いたい、と思ってしまった。

その感情はまだ小さくて、触れたら壊れてしまいそうで、
頼りない光のようだったけれど——確かにそこにあった。
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