Please let me hear your voice-君の声を聴かせてー
午前中のオフィスはいつも通りのざわめきに満ちていて、キーボードの音や電話の呼び出しや誰かの笑い声が重なり合い、そのすべてが日常の音として流れていくのに、柚歩にはどれも少しだけ遠く感じられ、昨日の余韻がまだ胸の奥に静かに残っていた。
「また……会えるといいですね」
あの声がふとした瞬間に蘇り、胸の奥がじんわりと揺れ、息が浅くなる。
柚歩は小さく息を吸い、資料をまとめて席を立ち、コピーを取りに行こうとしたそのとき——横から声がした。
「……おはよ」
美桜だった。
昨日の件があるから、柚歩は一瞬だけ身構えた。
けれど美桜はいつものツンとした表情のまま、ほんの少しだけ視線を逸らし、言いにくそうに言葉を落とした。
「昨日の……その、ピアス。ロッカーに落ちてた」
柚歩は小さく頷き、美桜は続けた。
「……葉山さんのせいじゃなかった。……それだけ。」
それは謝罪ではなかった。
けれど“責めていない”という意思だけは確かに伝わり、柚歩は小さく微笑んだ。
美桜は照れ隠しのように髪を払ってそっぽを向いた。
「……変な噂、気にしないでよね」
その言葉は不器用な優しさに聞こえ、胸の奥が少しだけ温かくなった。
「また……会えるといいですね」
あの声がふとした瞬間に蘇り、胸の奥がじんわりと揺れ、息が浅くなる。
柚歩は小さく息を吸い、資料をまとめて席を立ち、コピーを取りに行こうとしたそのとき——横から声がした。
「……おはよ」
美桜だった。
昨日の件があるから、柚歩は一瞬だけ身構えた。
けれど美桜はいつものツンとした表情のまま、ほんの少しだけ視線を逸らし、言いにくそうに言葉を落とした。
「昨日の……その、ピアス。ロッカーに落ちてた」
柚歩は小さく頷き、美桜は続けた。
「……葉山さんのせいじゃなかった。……それだけ。」
それは謝罪ではなかった。
けれど“責めていない”という意思だけは確かに伝わり、柚歩は小さく微笑んだ。
美桜は照れ隠しのように髪を払ってそっぽを向いた。
「……変な噂、気にしないでよね」
その言葉は不器用な優しさに聞こえ、胸の奥が少しだけ温かくなった。