Please let me hear your voice-君の声を聴かせてー
第5章 ひかれあう心-ペリドットー
昨日の優海との会話がまだ胸の奥で温かく残っていた。
——優しい人だった。
——敵ではなかった。
——むしろ、救われた。
そう思うのに胸の奥にはまだ痛みが残り、“婚約者”という言葉の傷は一晩では消えなかった。
でも優海の言葉がその傷をそっと撫でてくれたような気がして、柚歩は小さく息を吐いた。
「……仕事、しないと」
自分に言い聞かせるようにパソコンを開き、画面に映る文字が少しだけ滲んで見えた。
深呼吸をして気持ちを整えようとしたそのとき。
「葉山さん、おはようございます」
背後から聞こえた声に心臓が跳ねた。
振り返らなくても分かる。
——我妻琉生。
昨日、避けてしまった。
その罪悪感が胸に広がり、ゆっくり振り返ると琉生が少しだけ距離を置いて立っていた。
その距離が柚歩の心をさらに締めつけた。
「……おはようございます」
声が震え、琉生はいつもの落ち着いた表情のまま少しだけ視線を落とした。
「昨日は……大丈夫でしたか……」
その言葉に胸が痛む。
——気づいてる。
——避けたことも、震えていたことも。
でも責めるような言い方じゃなく、ただ心配しているだけで、その優しさが余計に苦しかった。
——優しい人だった。
——敵ではなかった。
——むしろ、救われた。
そう思うのに胸の奥にはまだ痛みが残り、“婚約者”という言葉の傷は一晩では消えなかった。
でも優海の言葉がその傷をそっと撫でてくれたような気がして、柚歩は小さく息を吐いた。
「……仕事、しないと」
自分に言い聞かせるようにパソコンを開き、画面に映る文字が少しだけ滲んで見えた。
深呼吸をして気持ちを整えようとしたそのとき。
「葉山さん、おはようございます」
背後から聞こえた声に心臓が跳ねた。
振り返らなくても分かる。
——我妻琉生。
昨日、避けてしまった。
その罪悪感が胸に広がり、ゆっくり振り返ると琉生が少しだけ距離を置いて立っていた。
その距離が柚歩の心をさらに締めつけた。
「……おはようございます」
声が震え、琉生はいつもの落ち着いた表情のまま少しだけ視線を落とした。
「昨日は……大丈夫でしたか……」
その言葉に胸が痛む。
——気づいてる。
——避けたことも、震えていたことも。
でも責めるような言い方じゃなく、ただ心配しているだけで、その優しさが余計に苦しかった。