Please let me hear your voice-君の声を聴かせてー
足が震え、体が前に倒れそうになったが、琉生が支えるように抱き寄せた。
その腕の強さが痛いほど優しかった。

「柚歩、本当は待っていたかった。でも、離れてしまう今、一つになりたい」

柚歩は目に涙をいっぱいためて、うなづいた。
柚歩は、琉生に身を任せた。

「私、初めてなので……」

琉生はゆっくりと柚歩のペースに合わせた。

柚歩の胸元でペンダントが小さく揺れ、琉生は気づくが触れず、ただその揺れを見つめるように額を寄せた。
その距離が痛いほど愛しかった。

「……ずっと大切にしてくれてたんだね」

「……うん。
 あなたがくれた光だから」

その言葉が二人の距離を完全に溶かし、二人は静かにでも確かに一つになり、光と影が重なり、未来が一瞬だけ同じ方向を向いた。

けれどその永遠みたいな瞬間は永遠じゃなく、静かにゆっくり壊れていく。

琉生が柚歩の髪に額を寄せたまま震える声で言う。

「……出発の日。来週には日本を発つ」

その言葉が胸の奥に深く突き刺さった。

「……そんな……急すぎる……」

琉生の腕がさらに強く柚歩を抱き寄せた。
その抱きしめ方は痛いほど切実で、胸の奥がひどく痛み、涙が止まらず、呼吸が震えた。

「俺も苦しい。本当は離れたくない。でも、柚歩の足かせにはなりたくない。
 柚歩の傍にいて支えられる男になって必ず帰ってくる。
 でも……今は行かなきゃいけない」

琉生の胸に顔を埋め、涙が止まらず、呼吸が乱れ、胸の奥が苦しくて、琉生の腕は柚歩を抱きしめた。
その抱擁だけが二人を繋ぎ止めていた。

「……柚歩」

「……行かないで……」

その言葉は涙に濡れた声で震えていた。
胸の奥に広がり、愛が同じ場所で脈打ち、未来が揺れ、世界が揺れ、二人の心だけが強く結ばれていた。

「……柚歩。愛してる」

その言葉が胸の奥に深く突き刺さり、世界が揺れ、涙が溢れ、呼吸が震えた。

「……わたしも……ずっと……琉生さんのこと、愛しています」

扉が閉まり、足音が遠ざかり、その音が胸の奥に深く沈む。

柚歩はその場に崩れ落ち、涙が止まらなかった。
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