Please let me hear your voice-君の声を聴かせてー
麻衣は少しだけ視線を落とし、指先でカップの縁をなぞった。
その仕草だけで、これから語られる言葉が痛みを含んでいることが分かった。
「……歩くんはね、友香ちゃんのために指輪を作ったの」
柚歩の胸がきゅっと鳴る。
麻衣は続けた。
「本当に、不器用な子だったのよ。言葉で想いを伝えるのが苦手で……だから、形にしたの。あの子なりの精一杯だったんだと思う」
「でもね……渡せなかったの」
麻衣の声が、少しだけ震えた。
「友香ちゃんが突然いなくなったから。理由も言わずに、誰にも何も言わずに……ふっと消えるみたいに。あとで理由を知った時は驚いた。あなたを守るために、歩くんに何も言わずに歩くんのもとを去ったのよ」
柚歩は息を止めたまま、麻衣の言葉を待った。
「歩くんは探したわ。必死で。何度も何度も。だけど見つからなかった。あの子、泣くことすらできなかったのよ。泣いたら終わってしまう気がしたんでしょうね」
麻衣はそっと目を閉じた。
「ある夜ね、歩くんがうちに来たの。雨に濡れたまま、震えてて……手の中に、小さな箱を握ってた」
「『預かってほしい』って。
『いつか、この光を必要とする子が現れる』って」
麻衣の声が静かに沈む。
「その子が誰なのか、あのときの私は分からなかった。でも……歩くんは分かってたのよ。きっと。未来のどこかで、誰かがこの指輪を受け取るって」
柚歩の視界がじんわり滲む。
胸の奥が熱くて、痛くて、でもどこか温かい。
その仕草だけで、これから語られる言葉が痛みを含んでいることが分かった。
「……歩くんはね、友香ちゃんのために指輪を作ったの」
柚歩の胸がきゅっと鳴る。
麻衣は続けた。
「本当に、不器用な子だったのよ。言葉で想いを伝えるのが苦手で……だから、形にしたの。あの子なりの精一杯だったんだと思う」
「でもね……渡せなかったの」
麻衣の声が、少しだけ震えた。
「友香ちゃんが突然いなくなったから。理由も言わずに、誰にも何も言わずに……ふっと消えるみたいに。あとで理由を知った時は驚いた。あなたを守るために、歩くんに何も言わずに歩くんのもとを去ったのよ」
柚歩は息を止めたまま、麻衣の言葉を待った。
「歩くんは探したわ。必死で。何度も何度も。だけど見つからなかった。あの子、泣くことすらできなかったのよ。泣いたら終わってしまう気がしたんでしょうね」
麻衣はそっと目を閉じた。
「ある夜ね、歩くんがうちに来たの。雨に濡れたまま、震えてて……手の中に、小さな箱を握ってた」
「『預かってほしい』って。
『いつか、この光を必要とする子が現れる』って」
麻衣の声が静かに沈む。
「その子が誰なのか、あのときの私は分からなかった。でも……歩くんは分かってたのよ。きっと。未来のどこかで、誰かがこの指輪を受け取るって」
柚歩の視界がじんわり滲む。
胸の奥が熱くて、痛くて、でもどこか温かい。