エリート外交官の完璧なる偽装結婚 ……のはずが旦那様は私を溺愛しているみたいです?!
胸がザラリとした。黒崎さんとさくらさんは和やかに談笑している。同じテーブルについているのに、私とふたりの間には見えない壁があるみたいだ。
ほどなくして先付とお造りが運ばれてくる。美しく盛り付けられた料理を前にしても、緊張しているせいで心が踊らない。味もよくわからない料理を黙々と口に運んでいると、黒崎さんがふっと笑った。
「滉太郎も来年からイギリス暮らしだから、ここの味を恋しがるだろうな。向こうも食事はそれほど悪くはないらしいが、日本食は日本で食べるのが一番だとボヤいていたからね」
「えっ?」
耳を疑った。
私が思わず声を上げると、黒崎さんは笑みを深めた。
「知らないのかい? 滉太郎は四月からイギリス駐在が決まっているんだよ」
「イギリス、駐在……」
「君が聞いていないということは、滉太郎もそこまでで偽装結婚を終える予定だったのかな。滉太郎にも理性が残っていたようで良かったよ」
なにも言えない。それくらい衝撃を受けていた。
どうして滉太郎さんは私にイギリス駐在のことを話してくれなかったんだろう。
「今後はこちらにいるさくらくんに滉太郎を支えてもらいたいと思っている。だから、君は滉太郎から手を引いてくれないか? 今ここで滉太郎と今後一切関わらないと約束してくれるなら、それ相応の礼はしよう」
「わ、私は……今日、滉太郎さんとの結婚をお許しいただくために参りました。私に至らない点があるのは承知していますが、滉太郎さんの妻として相応しい人間になれるよう今後努力したいと思っています。ですので……」
ほどなくして先付とお造りが運ばれてくる。美しく盛り付けられた料理を前にしても、緊張しているせいで心が踊らない。味もよくわからない料理を黙々と口に運んでいると、黒崎さんがふっと笑った。
「滉太郎も来年からイギリス暮らしだから、ここの味を恋しがるだろうな。向こうも食事はそれほど悪くはないらしいが、日本食は日本で食べるのが一番だとボヤいていたからね」
「えっ?」
耳を疑った。
私が思わず声を上げると、黒崎さんは笑みを深めた。
「知らないのかい? 滉太郎は四月からイギリス駐在が決まっているんだよ」
「イギリス、駐在……」
「君が聞いていないということは、滉太郎もそこまでで偽装結婚を終える予定だったのかな。滉太郎にも理性が残っていたようで良かったよ」
なにも言えない。それくらい衝撃を受けていた。
どうして滉太郎さんは私にイギリス駐在のことを話してくれなかったんだろう。
「今後はこちらにいるさくらくんに滉太郎を支えてもらいたいと思っている。だから、君は滉太郎から手を引いてくれないか? 今ここで滉太郎と今後一切関わらないと約束してくれるなら、それ相応の礼はしよう」
「わ、私は……今日、滉太郎さんとの結婚をお許しいただくために参りました。私に至らない点があるのは承知していますが、滉太郎さんの妻として相応しい人間になれるよう今後努力したいと思っています。ですので……」