忘れ「」私、と君
第五章 忘れ「ていたい」
とりあえず互いに落ち着くために、あの後は互い自室に戻った。

ゆきは私の部屋についてきたけど。


そのまま、その日は終わって、次の日の朝。

ベッドの上でゆきを撫でながら今後のことを考える。

ミナトくんの前であんなこと言った手前、考えないわけにはいかない。


どうしようかな。


「ゆきー」


ゆきを呼んだって、どうにもならないのに。

時計の針の音もない、この部屋が、妙に寂しくて。


「……寂しい、か」


寂しい。

なんか、ほんの少しだけ、引っ掛かった気がした。


『大丈夫だよ、そばにいるよ』

『―は、私の王子様だもんね?』

『かもね』


……あれ?今のは、いつの、何?


「はぁー」


……思い出したら、帰ることになるのかな。


ゆきを撫でながらベットに寝っ転がる。


じゃあ、昔はなんで会ってただろう。

もし、昔にも同じような出来事があって、来ていたのなら……思い出したらもう会えなくなったりして。
 
それなら……。


「思い出したくは、ないなぁ」


なら、思い出さないようにすればいい。

そうしよう。今は、このまま。


「ね、ゆき」


ゆきは耳を動かして少しだけ、反応した。
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