眠り続けろピグマリオン



 大事に抱きかかえて持ってきた“あるもの”に、尚紀さんは口をあんぐりと開けた。


「これ、は……」

「私も好き勝手してたの」


 彼の目の前に、そっと置いて正座した。

 驚くのも無理はない。私が持ってきたのは二分の一スケールの彫刻だ。


「モデルは僕……?」

「そう。付き合い始めてからすぐ作り出したの」


 私が正直に話すと、彼は何度か軽く頷いて目を逸らしてしまった。

 ああ、これはドン引きされてるな……。


「今までありがとう。これは責任持って処分するから──」


 頭を下げようとした私の肩を、尚紀さんがしっかりとつかんだ。


「待って、誤解しないで」

「誤解?」


 そう言った彼の顔は赤い。


「嬉しかったんだよ、気持ち悪いとか思うよりもまずそう思った」

「正気? これ作っておいてなんだけど」

「君だって怒らなかったじゃないか」


 そう返されて、どちらからともなく笑い合う。

 似た者同士の恋が、こうして続いていけばいいと思った。



〈了〉
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