鯨のうた


それからわたしは、航と「今年もお疲れ。よいお年」と言い合い、会社の正面玄関で別れた。

航と仲直り出来て良かった。
わたしは安堵すると共に、まだ自分で行動に起こさなければならない事を思い出す。

(雨龍課長に、メッセージ送ってみよう···)

わたしはそう思い、帰りの電車の中で何とメッセージを送ろうかと考えた。

こう言った方がいいか、この言い方は良くないか、これはあまりにもストレート過ぎるか―――

あれこれ考えている内にあっという間に自宅に到着してしまった。

わたしはとりあえず家に着いてから部屋着に着替えると、スマートフォンを握り締めながらソファーに腰を掛ける。
雨龍課長とのトーク画面を開き、わたしはドキドキしながらメッセージを打ち込んだ。

『お疲れ様です。こんな遅い時間にすいません。和食を作る約束をまだ果たせていなかったので、作らせていただきたいのですが、予定空いてる日はありますか?年末年始でお忙しいかもしれないので、無理でなければ!』

わたしはそう打ち込むと、思い切って送信ボタンを押した。

(ふぅ···、送った···)

雨龍課長へメッセージを送った後、わたしは返信が気になりソワソワしてしまいそうになった為、気を紛らわそうとご飯を食べる事にした。

疲れてご飯を作る気にもなれなかったので、今日は買い置きしてあるカップ麺で済ませてしまおう。

そう思い、お湯を沸かそうとケトルをセットした時だった。

―――ブブッ

スマートフォンが振動する音が聞こえてきた。
わたしはそれに過剰に反応してしまう。

そしてドキドキしながら、ソファーの上に置いていたスマートフォンに駆け寄り、手に取ってみる。

そこには『新着メッセージ1件 雨龍課長』と表示されていた。
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