最後まで読まないで
降車ボタン
塾の帰り、いつも最終バスに乗る。今日の乗客は私一人だけだった。疲れてウトウトしていると、アナウンスが流れた。降りる準備をしようと、窓際の降車ボタンに手を伸ばす。しかし、私が触れる直前に「ピンポーン」とランプが点灯した。驚いて運転手さんの方を見るが、誰も立っていない。バスはスピードを落とし、私の降りる停留所でドアを開けた。「お疲れ様でした」運転手さんは、私の後ろに向かって深く頭を下げた。