雪音だけのライブハウス(リメイク)
<音楽祭当日、楽屋>

愛祈琉
「あ…あうぅ…緊張で手が…(ガチガチ…)」

出番の直前になっても、私は雰囲気に飲み込まれたままだった。

リハーサルではキーボードを弾く手が震え、声はかすれて出ない。

本番が始まると、屋外の特設ステージの前には観客が数万人。

出逢うアーティストたちは皆、TVやネットで輝く有名人ばかり。

愛祈琉
(私…本当に…ここにいていいの…?)

共演者さんと挨拶するたびに、居たたまれなさが募った。

『Airuさん、いつも配信見てます!』

『Airuさんの新曲、いつも楽しみにしてるんです。』

彼らが一様に私を知っていたことも、恐れ多かった。

スタッフ
『Airuさん!30分前です、スタンバイお願いします!』

愛祈琉
「はッ…はひッ!」

声が変に裏返った。
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