この縁談、謹んでお断りいたします〜身代わりお見合いのはずが、冷徹御曹司の運命の花嫁になりました
「それに、ラストの歌。声の伸びが以前よりさらに安定していたわ」
「はい……! 高音のところ、まったく揺れなくて」
「あれは相当な鍛錬の賜物よ。舞台に立ち続けている人間の強さね」
そう語る凪子の横顔は、どこか誇らしげですらあった。
(本当に好きなんだ……)
その熱量に、思わず胸が温かくなる。
「帆奈美さんは、どの演目が一番印象に残っているの?」
「えっと……お披露目公演も大好きなんですけど、今日の舞台を見て、また更新された気がします」
「そうね。役を重ねるごとに深みが増しているわ」
言葉を交わすたびに、互いの〝好き〟が重なっていくのがわかる。
ふと、凪子が小さく息を吐いた。
「……こんなふうに話せる相手がいるとは思わなかったわ」
「私もです」
話ができたとしてもうわべだけ。演技についてや役柄や歌について深く話せる相手はいない。
「ところで、お義母様はどうして内緒にされてるんですか?」
「東城家の人間として恥ずかしいじゃないの。流行りの推し活をしているなんて笑われるに決まってるでしょ」
「はい……! 高音のところ、まったく揺れなくて」
「あれは相当な鍛錬の賜物よ。舞台に立ち続けている人間の強さね」
そう語る凪子の横顔は、どこか誇らしげですらあった。
(本当に好きなんだ……)
その熱量に、思わず胸が温かくなる。
「帆奈美さんは、どの演目が一番印象に残っているの?」
「えっと……お披露目公演も大好きなんですけど、今日の舞台を見て、また更新された気がします」
「そうね。役を重ねるごとに深みが増しているわ」
言葉を交わすたびに、互いの〝好き〟が重なっていくのがわかる。
ふと、凪子が小さく息を吐いた。
「……こんなふうに話せる相手がいるとは思わなかったわ」
「私もです」
話ができたとしてもうわべだけ。演技についてや役柄や歌について深く話せる相手はいない。
「ところで、お義母様はどうして内緒にされてるんですか?」
「東城家の人間として恥ずかしいじゃないの。流行りの推し活をしているなんて笑われるに決まってるでしょ」