この縁談、謹んでお断りいたします〜身代わりお見合いのはずが、冷徹御曹司の運命の花嫁になりました
 なにから説明すればいいのか、自分でもわからない。謝罪か言い訳か、それとも全部なのか。

 「身代わりとは度胸がありますね」
 「ご、ごめんなさいっ」

 とにかく謝る以外にない。膝に顔を擦りつけるほど頭を下げた。代役を立てたのは愛理だけれど、チケットをほいほいもらった帆奈美が悪いのだ。

 「いえ、謝る必要はありません」
 「……え?」

 恐る恐る顔を上げる。

 「思いがけず、あなたのような人と出会えたのですから」
 「は、はいぃ!?」

 声が裏返った。いったいこの人はなにを言っているのか。

 「この縁談、このまま進めようと思います。もちろん三木愛理さんとしではなく、立原帆奈美さんとして」

 これ以上ないほど目を見開く。

 (愛理じゃなく、私と……?)

 正気の沙汰とは思えない。

 「な、なにを言ってるんですか。私は愛理のような令嬢じゃなく、一般家庭で育ったんですよ?」
< 72 / 172 >

この作品をシェア

pagetop