婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】
けれど…………、胸を隠すために頭から両手を離してしまった私は、更に自分に追い討ちを掛けることになった……。
──チャポンッ
水分を含んで重たくなった茶色のカツラが、私の頭からあっけなく川に落ちる音だった。
その瞬間、頭がとても軽くなった……。
ひえぇええぇ!!う、嘘だよね?!?!
嫌な音のする方に視線をうつすと、川の水面にぷかぷかと、哀れに浮かび上がっているカツラ。
カツラの下から現れたのは、水に濡れて輝く、私の自慢のピンクの髪。
はらはらと胸元に落ちてくる髪の毛たち。
ぷかぷかと目の前を流れていくカツラと、ピンクの長い髪を晒した私を見て、アル様は完全に言葉を失って固まっていた。
あぁ……終わった……。