婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】
「ふっ…やっぱり、当たりだね?
……そりゃあ、あんだけ大規模な捜索をされてればね。会ったことは無かったけど、写真で顔を知っていたよ。俺はこう見えて、ギルの側近騎士だからね」
「……うぅ……ですよね…っ」
彼女は涙目でションボリとさらに落ち込んでしまった。だけどもそんな姿も、可愛いらしくて、ふっと笑ってしまう。
「君は噂通り本当に可愛いらしいんだね?お人形みたいな子だと聞いてたよ」
俺は可愛いらしい彼女の、濡れてしっとりと輝くピンクの長い髪を、すっと指先で掬い取った。
「…うぅ…別に嬉しくないです……」
「ふふっ…やっぱり君は変わってるね?普通の令嬢なら喜ぶんじゃないの?」
「…まぁ…そうですね……」
俺は彼女の綺麗な髪の毛を指先に絡めてくるくると遊びながら話を続ける。
「そうそう……、あともう一つの噂も当たりだ。
はちゃめちゃで規格外なお嬢様だって聞いてたけど、そんな令嬢見たことないから、この目で見るまでは半信半疑だったんだけど本当だったみたいだね……クスクスッ。
ギルが惚れるのも、わかるよ」