婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】
EP:18☆眠るリオの正体!
ギルside
眠っている間、ずっと暗いトンネルの中にいるようだった。
ひどく頭が痛み、胸は息苦しくてしんどかった。
そんな暗闇の中で、俺に話しかける優しい声が何度も何度も響いていた。
「大丈夫ですよっ」
「早く元気になってください」
「ここにずっといますから」
優しい声とあたたかな手の温もりに、苦しさがすっと落ち着くようなそんな不思議な感覚があった。
あれから……どれくらいそうしていただろうか。
少しずつ意識がはっきりしてくると、俺は体が軽くなっていることに気づく。
それと同時に俺の手にはまだ温かさが残っていた。
……夢じゃ、なかったのか?
ゆっくりと目を開けると、俺はあたたかな手元を確認する。
そこには……俺の手を握りしめたまま、ベッドに突っ伏して眠るリオの姿があった。
あの優しい声とあたたかな手は……
「お前だったのか……リオ」
俺はゆっくりと起き上がると、すやすやと眠る綺麗なリオの顔をじっと見つめる。
目の下にはひどいクマができていた。
お前は寝ずに俺の看病をしてたのか……?
ボサボサの茶色の髪の毛に、目の下にはひどいクマ……、そして俺の手を一生懸命に握って眠る姿に……
俺は愛おしいと思った。