婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】
しばらくの間動けなかったけれど、私はハッと思い出す。
「……っ!!落ち込んでいる場合じゃないっ!!」
私の脳裏に浮かんだのは、悲しそうに涙をこらえて走り去ったレオ様の姿だった。
いつも強気なレオ様が……あんな顔……探さなきゃっ!!!
自分に喝を入れて奮い立たたせると、私は執務室を飛び出した。
レオ様の部屋や、食堂、アル様やロキさんに声をかけるけれど……どこにもいない。
全然見つからなくて、どうしようと思っていると、レオ様と過ごした花畑をふと思い出す。
私は屋敷を飛び出すと、花畑に向かった。
花畑につくと……一緒に寝転がった芝生の上で膝を抱えて三角座りをするレオ様を見つけた。
「ハァハァ……いた……よかった……」
やっと見つけて安堵した私は、息を整えるとレオ様の隣までそっと近づいた。
そして、何も言わずに静かに腰を下ろした。