婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】
厨房に着くと私に「ちょっと待ってろ」と言ったレオ様が、ロキさんに話をする。
「あいつ落ち込んでるから何か作ってやってよ」
それを聞いたロキさんは、私が落ち込んでいる理由が分かっているかのように
「あぁ……なるほどねぇ」
私の方に近寄ってきたロキさんは、今日も美しい顔で色っぽく微笑んだ。
「リオくん、俺がとびきり笑顔になるようなの作ってあげるから庭園で待っててくれるかな?」
「はぁい……」
少しだけ楽しみな気持ちとモヤモヤで複雑な気分のままレオ様と二人で綺麗な庭園に移動すると、先に席に座って待つことにした。
しばらく二人で待っていると、淡いアメジストの髪の毛を揺らしながら、極上の笑顔でワゴンを引いて歩いてきたロキさん。
「待たせたねぇ〜、リオくんのためにスペシャルなおやつのセットにしてみたんだけど、どうかな?」
にっこりと笑うロキさんの持ってきたワゴンには、焼きたてのクッキーやマフィン、フルーツたっぷりのタルトやケーキ……どれを見ても美味しそうで宝石のようにキラキラと輝いていた。