不自由マリッジ
「そんなに慌てなくてもいいのに」

「友達と今日はテーマパークへ遊びに行く約束をしているので」

さりげなく「あなたとは過ごせませんよ」と告げる。でも、蓮司さんは年上の余裕というやつなのか表情は全く変わらない。

蓮司さんと会ったのは半年前。パパたちに突然呼び出され、応接室に行くと待っていたのが蓮司さんだった。

『小夜。お前はここにいる黒鳥蓮司くんと結婚するんだ。これはお前が生まれた時から決まっていたんだよ』

パパとママ、そして蓮司さんは嬉しそうだった。私だけ話を理解するのに時間がかかって、でもこの決定を覆す道はなくて……。

(私は、結婚したい人は自分で決めたいのに……)

それから、蓮司さんが定期的に家に来て、一緒に食事をしたり会う回数が増えた。蓮司さんは私に優しくしてくれる。でも、私は蓮司さんに恋をしているわけじゃない。だから苦しい。嫌だ。

「ごちそうさまでした」

蓮司さんを置いて食堂を出て、私は洗面台で歯磨きや洗顔を済ませる。そして自室へと向かった。服を着替えなくちゃ。
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