不自由マリッジ
昨日、散々考えて着ていく服を決めたのに、クローゼットを開けるとまた「こっちの方がいいかな」と迷いが出てしまう。また鏡の前でワンピースやスカートを合わせちゃう。

「ハァ……。迷うな」

私がそう呟いたその時、「こっちのワンピースはどう?」と横から声をかけられた。驚いて声のした方を見ると、食堂にいたはずの蓮司さんが私の部屋にいた。その手には、リボンがたくさんついたクラシカルなワンピースがあった。私の顔が暗くなる。

「このワンピース着て、このバレッタつけたら可愛いと思うな。僕がプレゼントした服、まだ着たことなかったでしょ?小夜ちゃんがこれ着てるの、見たいな」

蓮司さんは私によくプレゼントを持ってくる。でも、私はそれを一度も身に付けたことはない。身に付けたら、蓮司さんの結婚を認めたような気がして嫌だから。

「……もう着ていく服は決めてますから」

蓮司さんを部屋から追い出し、はしごレースとバラのアクセサリーが可愛いワンピースを着る。蓮司さんがプレゼントしたもの以外のアクセサリーを選び、メイクも済ませた。
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