不自由マリッジ
「じゃあ、行ってきます」

私はメイドたちに言う。すると、玄関まで「待って」と蓮司さんが小走りで来た。見送りなんていらないのに……。

「行ってらっしゃい。フフッ。新婚さんみたい」

蓮司さんは私に笑いかけ、私を抱き締める。メイドたちが微笑ましそうにその様子を見ている。色んな感情が押し寄せ、私は「離してください!」と蓮司さんの胸板を押した。

「そんなに力いっぱい押したら腕折れちゃうよ」

「折れませんから……!」

蓮司さんは少し困ったような顔をした後、私のおでこに唇を落とした。メイドたちが「まぁ……!」と声を上げている。私は泣きたくなるのをグッと堪えた。

「……友達、待たせてますから」

私がそう消えてしまいそうな声で言うと、蓮司さんは「あっ、ごめんね」と言い、私を名残惜しそうに離す。逃げるように私は玄関のドアに手をかけた。蓮司さんが寂しそうに言う。

「今度は僕とテーマパークでデートしてほしいな」
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