今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
「暁の名前を守りたいなら、ここで守るべきは〝数字〟ではなく、〝約束〟です」
会議室に、しばし沈黙が落ちた。
やがて、営業部の最年長が、口を開く。
「……正直に言うと、不安はあります」
その言葉に、わたしの心臓がきゅっとなる。
「でも、〝ここまで考えてきたもの〟から、これ以上何かを削って〝よくある商品〟に寄せたところで、競合には勝てないとも思う」
その視線が、快浬さんとわたしに向く。
「どこかで、〝これで行く〟って腹をくくらないといけないんでしょう」
数秒の間を置いて、
商品企画部長が静かに言った。
「――この案で、行きましょう」
その一言で、空気が変わる。
「この〝Calmaシリーズ〟で、暁は勝負する。異論は?」
誰も、手を挙げなかった。
わたしは、胸の奥で、そっと握り拳を作る。
——ここまで来た。
ここまで何度も、
『また失敗するんじゃないか』と言われ続けてきた企画が、
ようやく〝勝負する商品〟として認められたのだ。