今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
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暁ショールームのイベントスペースには、
前回よりも多くのエプロンとレシピカードが並べられていた。
テーマは『平日二十分で作る、片づきやすい夜ごはん』。
一般向けの体験型イベントの第二回目ということで、
前回参加者の口コミもあってか、
申し込みは定員を超えていた。
「今日はメディアも一組入ります。皆さん、くれぐれも〝今日はここまでライト〟の良さを、自然体でお伝えください」
神田部長の声に、
スタッフたちが一斉に「はい」と返事する。
わたしは、
キッチンの班ごとのカウンターに、
ライトの簡易説明パネルを並べながら、
深呼吸をした。
——大丈夫。
今日は、純粋に体験してもらう日。
変なトラブルなんて、起きるわけ……
「快浬ー、久しぶり」
聞き慣れない、
しかしどこか耳に残るような明るい声が、
会場に響いた。
受付のほうを見ると、
快浬さんに向かって、
華やかなワンピース姿の女性が手を振っていた。
肩までのゆるいウェーブヘア。
自信に満ちた笑顔。
そして、
快浬さんの隣に立つ距離感が、妙に近い。
「……あれ」
高梨さんが、小声でつぶやく。
「どうかしました?」
「いや、〟嵐、来たな〟って」
「嵐?」
「快浬さんの、元カノ」
わたしの心臓が、
ずるっと音を立てて落ちた気がした。