今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜



シェア一位奪還の報告から、わずか数日後。

開発本部の朝会議室には、
いつもと変わらないホワイトボードと、
いつもと変わらないプロジェクターの光があった。

ただ一つ違うのは、
テーブルの端に置かれたノートパソコンの前に、
快浬さんの姿がなかったことだ。



「……あれ、快浬さん、今日は?」



誰かがぽつりとつぶやく。



「電車遅延とか?」



「いや、あの人電車乗らないじゃん」



神田部長がスマホを見ながら、
わずかに眉を寄せている。



「とりあえず、ミーティングを始めよう。何か理由があって遅れて来るんだろう」



そう言いながらも、
部長の声にはわずかな硬さが混じっていた。

売上グラフ、シェア推移、競合動向。

いつも通りの数字がスクリーンに並ぶ。

だが、わたしは、
頭の片隅でずっと『ひとり』のことだけを考えていた。


——スマホ、壊れた?タクシーの中?それとも……。



朝会が終わるころになっても、快浬さんの席は空いたままだった。
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