今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜



数か月後。

新居のリビングには、
まだ少しだけ段ボールが残っている。

でも、キッチンだけは、もう完璧に整っていた。

Calmaのカウンター。

天井には『今日はここまでライト』。

その横の壁には、小さなプレート。



『ここからスイッチ』



仕事の話を切り上げたい夜、
ふたりはそこに指先を触れる。



「はい、ここからはふたりの時間です」



そんな儀式のような合図と一緒に。

この日も、仕事帰りに少しだけ残業をして、
遅い時間に帰ってきた。



「おかえりなさい」



「ただいま」



そう言い合う声は、もうすっかり、
日常の一部だった。



「ご飯、簡単なのでよければ」



「〝簡単でおいしいやつ〟が、いちばんいんですよ」
 並んでキッチンに立ち、冷蔵庫の中身を確認する。
「スープは、僕が作ります」



「じゃあ、私はサラダと、ご飯温めます」



まな板に乗る野菜。

コンロの上で温まっていく鍋。

ささやかな音と匂いが、新しい家を、
少しずつ『ふたりの家』に変えていく。
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