今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
そんなある朝、
わたしは開発フロアの片隅で、
快浬さんと言い合っている年配の設計者の声を聞いた。
「本当に、ここまで削る必要があるのか?レールをワンランク落としたら、開閉の滑らかさも落ちるし、使えば分かるレベルだぞ!」
「体感できるのは、プロか、一部のこだわり層だけです。現在の原材料費と為替を見れば、利益率を維持するための最低ラインがここなんです。感覚だけでなく、数字を見て判断してください」
快浬さんの声は冷静だったが、
端々に焦りがにじむ。
机上には、
コストシミュレーションのグラフと、
競合他社の価格表が並べられていた。
「だけど――」
「議論は歓迎します。ただし、〝なんとなく〟ではなく、データで反論してください」
設計者は悔しそうに唇を噛み、
資料を抱えて席に戻った。
わたしは、そっと快浬さんに近づく。