今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜

その夜。

ノートパソコンを開いても、
コンセプトシートの文字がなかなか頭に入ってこなかった。



「〝今日も大丈夫だったよ〟ってわたしに勇気をくれる――」



自分で書いたフレーズを読み返しながら、
わたしはふっと笑ってしまう。



「……今日は、全然大丈夫じゃないんだけどね」



目の奥が、じわりと熱くなった。

机の端には、駅ビルの前で見た二人の姿が、
何度も何度も再生される。

快浬さんの柔らかな横顔。

隣で笑う、綺麗な女性。

そのたびに、
『私の立つ場所なんて、最初からなかったんじゃないか』という考えが、
じくじくと広がっていく。

その感情に名前をつけるのは、まだ少し怖かった。
< 29 / 200 >

この作品をシェア

pagetop