今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
会議が終わったあと、
わたしは廊下で快浬さんを追いかけた。
「あの、さっきは厳しい言い方をしてしまって、すみません」
先に頭を下げたのは、快浬さんだった。
「え?」
「あなたのコンセプトは、きっとすごく〝好き〟なんだと思います。ただ、僕は〝好き〟だけでは会社を動かせない立場にいる。だから、つい冷たい言い方になってしまいました」
不器用な謝罪の仕方だった。
「いいえ、私のほうこそ、抽象的なところで満足しかけていました。もっと、〝売り場で戦える言葉〟にしてみせます」
わたしがそう言うと、
快浬さんは、一瞬だけ驚いたような顔をして、
それから小さく笑った。
「……その意気です。春日〝小春さん〟」
初めて、名前を呼ばれた。
その響きが、思っていたよりずっと胸の奥に残った。