今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
当日は、雨上がりの午後だった。
ショールームには、
エプロン姿の参加者たちが十数人。
子育て中の母親、共働きらしい夫婦、
料理初心者の若い女性たち。
暮らしぶりの違う人たちが、
一つのキッチンを囲んでいる。
「本日は、〝片づけまで含めて三十分〟を目指します」
アイランドキッチンの前に立った快浬さんは、
いつものスーツではなく、
白いコックコート風シャツに濃いグレーのエプロン姿だった。
「暁キッチン商品開発本部長の久遠快浬です。まずは、鶏肉とレモンのハーブ煮込みから始めましょう。コンロ一つと、こちらのシンク周りだけを使います」
落ち着いた声がマイクを通じて響く。
「料理教室なんて初めてで……包丁持つのが怖いんです」
わたしの隣のテーブルで、
若い女性が不安そうにつぶやいた。
「分かります。私も実は、料理に関してはほとんど素人でして」
わたしは笑って答えた。
「でも、片づけと段取りだけは得意なので、一緒にそこを押さえましょう」