今日はここまで、ここから一緒に〜君と作る未来〜
会社近くの居酒屋の半個室。
木目調のテーブルに、
ビールジョッキとお通しが並ぶ。
「それでは、春日さんの歓迎会、兼、〝片づき終わりの光〟コンセプト一次通過おめでとう会、始めます!」
幹事役の高梨さんが簡単に音頭を取る。
実際の歓迎会でも、
司会が短めの挨拶で場の緊張をほぐすことが多い。
「春日さん、一言どうぞ!」
「えっ」
ジョッキを渡され、わたしは慌てて立ち上がった。
「ええと……春日小春です。本日は、私のためにこんな場を開いていただき、ありがとうございます」
歓迎会での挨拶は、
長すぎるより一〜二分でまとめるのがいいと聞いたことがある。
わたしは、
そのことをぼんやり思い出しながら、
言葉を選んだ。
「前の会社では、最後まで〝形になる新商品〟を見届けられなかったので、暁では、皆さんと一緒に、ちゃんとお客様の心に残るキッチンを作りたいです。料理はあまり得意な方ではありませんが、片づけだけは誰にも負けないぐらい好きなので……そこだけは、頼っていただけたら嬉しいです」
テーブルのあちこちから『いいねえ』『頼りにしてるよ』と声が上がる。
「短くてまとまってたな。さすが企画屋」
誰かがそうつぶやき、わたしはほっと息をついた。