毒と悪、詰め合わせ。
開店前の店のドアに張り付く客を尻目に、店員の彼女は外の清掃に勤しんでいた。客は取っ手を掴んでガタガタと揺らす。店はまだ開かない。何時開店か大きく書かれているのに、なぜ馬鹿みたいに揺らすのだろう。揺らせば開けてもらえるとでも思っているのだろうか。不意に客が振り返った。目が合う。「まだ開かないの?」「もうしばらくお待ちください」彼女が答えた側から、客は記憶を失ったみたいにガタガタとドアを揺らし始めた。