毒と悪、詰め合わせ。
人生初の愛犬の散歩に、少女の心は弾んでいた。散歩は順調に進み、歩道に出る。車が通り過ぎる。愛犬はマイペースにマーキングをし、糞をした。屈んで処理していると、空気を切り裂かんばかりに愛犬が吠え始めた。普段は大人しい愛犬に力任せにリードを引っ張られ、体が持っていかれる。尋常ではない異変に少女は顔を上げた。硬直する体。視界を埋め尽くす巨大な塊。見たことはあるはずなのに理解できないまま、眼前に広がった闇。