余所者-よそもの-【 2 】
「……なんでじゃ?」
それでも、どうしたって瑞生には攻撃が当たらない。
その後、同じような攻防が何度も続いた。
攻める熊。
攻めた隙を突いて反撃を当てていく瑞生。
けれど、頑丈な熊の身体はいくら瑞生が攻撃を当てても屁でもない様子だった。
食らっても食らっても何事もなかったかのように立ち上がり、また立ち向かってくる相手に、瑞生の勝ちは一向に見えてこない。
どれだけ殴っても、無駄なんじゃないか。熊は倒れないんじゃないか。
そんなことを考えだした頃だった。
「いつまでもッ!ちょこまかうっとおしい!大人しぃ寝やがれッ!!」
「そろそろ、かな」
そう呟いた瑞生の上段蹴りが、熊の分厚いこめかみにめり込んだ。
「ハハ!こんなモンで……」
こめかみを押さえ笑う熊。
その顔が突然、
「――…あ、ガ……?」
白目を向いた。
「疲れた……」
もう終わったと言わんばかりにコキコキと首を回す瑞生。
一瞬白目から戻った熊は、その場で勢いよくゲロを吐いた。
「ぅぅッ、ォォォエッ……!」
ボタボタボタボタ……!と、それはすげぇ量を地面に吐き散らかす。