余所者-よそもの-【 2 】

47話:非合理的欲求



イタ校との騒動の後、俺の周囲は一変した。


「潤くーん!おはよーう!」

「おー!おはよう」

可愛い女の子たちと交わす、爽やかな朝の挨拶。
こんなのは以前のまま。たまらない幸せ。


「潤ちゃーん!おはよう!」

「………」

「あれあれ?潤ちゃん?おかしいな、聞こえてないのかな……おはよーう!おはよーう!」

「……聞こえてるよ!うるせーんだよっお前は!朝っぱらから!」


女の子よりも甲高くて耳にうるさいもっさりメガネの声。
朝から不快だぜ。


「なんで?どうして?さっきの女の子には快く返していたのに!どうして僕には冷たいの!」

「性別が変わったらまともに相手してやる」

あしらうようにして言えば、コイツは「そんなぁ」と短い首を項垂れさせた。


「ところで潤ちゃん、ユキくんは?」

「ユキくん?」

誰だ、それ。
知らない名前を復唱すれば、福の神のように丸っこいコイツの顔がシュウウ、と蒸気を出したみたいに真っ赤になった。


「み、瑞生くんのことだよ……もう、そろそろ良い頃合いかなぁって」

「キモッ!なんだよ頃合いって!カップルか!」


こいつやっぱ瑞生相手に芽生えちゃってんじゃねーの。
気持ち悪い。


「じゃあまたお昼にね!潤ちゃんっ!」

「おー……」


俺も焼きが回ったかなぁ。
ついこの間まで、昼休みの貴重なフリータイムは全て可愛い女の子の為のものだったっつーのに。

「………」


俺はいつも通り、ぼうっと午前を過ごし。
あっという間にチャイムが鳴って、昼休みの時間になった。


「潤くん、一緒にお昼食べない?」

「うーん……」


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