余所者-よそもの-【 2 】




俺とユキは屋上に居た。

ただぼうっと寒さに凍えながら、灰色の冬の空を言葉なく眺めていた。



手の先と、足の先が寒さにすっかり悴(カジカ)んで。

俺は、「寒いな」と白い息を吐いた。


「コタコは、」

ユキが自分の所在を確かめるように、その名前を口にした。



「……コタコは。最も効率的な生き方を選んだんだね」



俺はその言葉の意味がわからず。

横にいるユキに目をやった。



「俺、何のために生きてるのか考えたことがある。毎日毎日、同じことの繰り返し。人より優れた存在になるために、そのために時間を消費する。この消費の先に待っているのは、死だ。どれだけ人の上に立とうが、優れようが、皆平等に同じところに到達する」

「お前、何言って……」

「だから、俺。コタコの選択はとても合理的だと思う」



静かな声だった。
怒りも悲しみもそこにない。

ただ淀みなく、まるで正しい一つの答案を出すように平然として口から言葉にした。


その行き過ぎた論理に、俺はゾッとした。

すぐ隣に居るはずのユキが、急に遥か遠くに感じる。


今すぐにでもコイツは死んでしまうんじゃないかと思った。

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