余所者-よそもの-【 2 】
「どうしていきなり気が変わった?昨日は120億%俺とは契約しないって言ってたろ」
どうしよう。
契約の話が始まってしまった。
空気読めないヤツみたいになっちゃう。
「ユキちゃんの言う通り『気が変わった』。それだけよ」
「契約条件は?」
「前に提示した条件で構わないわ」
腰に回るリンコの手をなんとか剥がそうとするけど、全然取れない、外れない。
がっちりロックされてしまっている。
ふとユキの顔を見れば、リンコを鋭く睨みつけていた。
それは何か、腹を探るような目つきだった。
すぐ隣にいる自分まで睨みつけられてる感覚になって、やっぱり居心地が悪い。
「ちょっと……リンコさん」
声を小さくして『放してくれ』と伝えようとするけど、リンコはゴソゴソと動く私を全く気に留める様子がない。
ただただ、リンコはまっすぐとユキの方を向いていた。
「その代わり」
リンコの声色が変わる。
ユキはピクリと反応をして、きたか、という顔つきでリンコを見据えていた。
「カナコ、ウチのお店にちょーだい」
……なんだって?