余所者-よそもの-【 2 】
「アンタは、ほんと。心が綺麗よね」
ぽつりと呟かれた言葉に、首を傾げてリンコの顔を覗き込んだ。
「一緒にいると、心が洗われる気がする」
「そんなこと言ってくれるの、リンコさんだけです」
「だからこそ、誰かに汚されないか心配」
リンコは眉を下げた。
「なんか悩んでる?」
「……え?」
「元気ないじゃない」
「そんなことないですよ」
リンコは少しだけ笑った。
「強がる顔くらい、何万人も見てきたわ」
「………」
「何かあったらちゃんと言いなさい」
そう言って、少しだけ私の頬を撫でる。
「アタシ、アンタの味方だから」
多少重たくなった空気を払拭するかのように「よし!」と言って、リンコがバッグを手に取った。
「今日は全部忘れちゃうくらい、楽しませてあげるっ」
どうしてリンコは、こんなに私に優しくしてくれるんだろう。
私はなにもしてないのに、与えられてばかりだ。
全ての会計は、リンコさんが支払ってくれた。
「クリーニングのお礼」
そう笑っていたけれど。
私は服や靴よりも、今日一日を丸ごとプレゼントしてもらった気がした。